ヤドカリ、屋敷を得る

3週間ほど家に住まわせていただいていた友人が帰ってきたので、もといた貸しアパートに戻ろうと思っていたら、JICA専門家である知り合いの方から、今日から日本に一時帰国なので是非代わりに住んでくれと言われる。家族で滞在されているこの方のお家は、広い一軒家に車2台、庭付き、シェパード犬付き。…なんというかヤドカリ生活もここまで来ると、わらしべ長者の気分。


それにしても、こういう土地で暮らしていることもあるのか、ウガンダで出会う方々は本当に親切だ。昨日まで滞在していたSIPAの先輩も、あるものは調味料でもなんでも勝手に使ってね〜とおっしゃっていただいてありがたい限りだったのだが、今日から住む家では、専業主夫をしている旦那さまが、帰国前日にもかかわらず大量の食材を買ってこられる。


「これから3週間家を空けるという人が、その大量に並ぶ卵と牛乳はなんですか?」
「いや、卵焼き好きかなと...。あれ、牛乳飲まない人?」


ほぼ初対面の人に対して、家を喜んで提供してくれ、家のものはなんでも使ってくれと言い、庭でのBBQの仕方まで教え(いや、一人じゃしないよ..?.)、さらには家に滞在してくれて助かるよと感謝までするというこの不思議。NYでもそうなのだが、東京にはない(いや、この人達は東京にいてもきっと同じく親切なのだろうけど)外国での密度の濃い人付き合い(日本人、外国人ともに)に、学ぶことが多い。プライベート空間に対する捉え方も変わった。今までの、自分の人との距離の取り方や個人の概念を振り返って、自分も周囲の人に与えられる人になりたいと思う。これも、留学の収穫の一つと言えるだろうか。


ともあれ、シェパードのいる生活なんて、小学校以来。嬉しい。なんだかますます引きこもり生活に...?しかし、ウガンダ生活も残り2週間。ウガンダアクセントにもすっかり慣れ、How are you?に、胸を張ってFineと答えられるまでになったのに。*1今度はアメリカ英語のスピードに付いていけるか心配せねばならない。

*1:ウガンダは、いまや日本と東アフリカにしか残存しないと思われる古き良き正統英語?が生きている。Hello, how are you? Fine, thank you. And you? Fine. というNYでは聞くことのない挨拶がまかり通るのだ。反射的にGoodと言いそうになるのからFineと言えるようになるのに、1ヶ月もかかってしまった。