脱ホチキス

今日はようやく、バンクーバーの主治医に紹介してもらった先生に診てもらうため、コロンビア大学の附属病院に行ってきました。予約は6週間待ちと言われたところを、こっちはホチキス付いてんだ、頼むよ、とお願いして今日にしてもらったもの。コロンビア大の病院と言っても、少し離れたところ(ハーレムの中)にあるので、授業を抜けてはるばる行ってきました。


そう、ホチキス刺さってたのです。背中に。傷口を糸で縫うかわりに、たくさんのホチキスで止めてた。初めは"ホチキスのような形態の止め具"を分かりやすく伝えるためにstapleと看護婦さんが言っているのかと思ったが、普通にでかいホチキスであった。これを抜くのは結構痛いのではと内心恐れていたのですが、幸い(?)役所の同期に経験者(ボードにより肘骨折)がおり、ホチキス外しは痛くないというのでその言葉を信じていざ病院へ。


しかし、落とし穴はそこではなかった。受付に行って保険のIDを見せると、予約している先生は保険のネットワークに加入しておらず、適用外だとぬかされる。実は、電話予約の際にもそのやり取りはあって、じゃあ他の先生に、ということで一旦他の先生の予約を取ったものの、あとから病院側から電話があり、やはり紹介を受けた先生のほうがいいからということで、今の先生に予約を戻したもの。そのときに、保険のことをしっかり再確認しておかなかった私も悪いのですが。その経緯を話しても、そのときに電話を取った担当者は産休でもういないと言われるし、他の先生の予約を取り直すとしたらまた数週間かかる(しかも病院が異なるのでそこでは予約できない)と言われ、呆然とするやら悲しくなるやら。


実際、やっと先生に会って経過を聞ける、そしてホチキス抜いてもらえる(刺さっている間は包帯しないといけないし、かゆくなるしで不便だったのです)と思ってこの日を待ち望んでいたのに、そりゃないよと思わず涙が出てきてしまいました。そんな私を見て慌てた受付スタッフは、とりあえずなんとかなるかやってみるから、となだめすかしてX線検査室へ。


失意のままX線検査を受けて、帰ってきたら先生に診てもらえるという。「そりゃ診るのは出来るだろうけど自腹でってことじゃないの」とすっかり懐疑的な私を、「何も心配する必要ないから」と半ば強引に診察室へ連れていく。カナダの病院でも、手術前に私が支払いのこと気にしてたら、「一銭も払う必要ないから」と言われたっけ。あれも(善意ではあるけど)嘘だったし、いまいち信じきれないままに診察を受けることに。(主に精神的な)疲れと(寒い中薄い診察用の服で長時間いる)痛みでもはや思考も十分ではなかったし。


...先生は、非常に良い方でした。背中のホチキスをさくさくと抜いて(確かにあんまり痛くなかった)、研修医を紹介し、私が気になっていることに答えてくれて、終始和やかムード。君は本当に神様に愛されてるね、でもこれは決して軽い怪我じゃないんだよ、だから大事にしてね、一ヵ月後にもう一度経過を見ようね、ということで診察はあっさり終了。


で、受付に戻ってきて、どうするつもりなのか確認すると、ともかく保険会社に請求してみるという。で、結果を後日知らせると。それって結局どうなるかわかんないってことじゃん。うーん、心配。。なんか、お医者さんはそうした事務からは離れているので知り得ないかもしれないけど、患者側は、こういう本来の病気怪我の心配とは別のところで、余計な精神的負担がかかっているというのは問題だなぁと思いました。思えば、バンクーバーの主治医に、外科手術代はいくらですかと聞いたら(先生はフリーランスのようで、入院費用と別の独立会計になっていた。)、知らないって言ってたっけ。まあ、それが正しいspecializationかもしれないけど。


まあ、少しでも早くホチキス抜いてもらいたかったし、経過は順調ということなので、ともあれ良かったです。