父からの手紙

日銀の話の続きを書こうかと思いましたが、別に書きたいことができたのでそちらから。


日本時間の今日、8月2日は父の誕生日です。お父さん、おめでとうございます。
思えば随分歳を取りましたね。。(このブログを読んでいるか分かりませんが)


実家に頼んで送ってもらった郵便物をようやく今日受け取ることが出来たのですが、その中に、父からの手紙が同封されていました。


私は父から手紙をもらうのが好きです。
それは手紙というよりメモと呼ぶのが正しいかもしれないごく短いものなのですが、一言、二言、仕事のアドバイスが添えられています。


今日受け取った手紙には、次のように書かれていました。
「…(異文化との交渉)術などはテクニカルなことで、最も大事なことは交渉相手の国の歴史、文化、宗教、国民性、人となりを勉強・理解しようと努力することです。そのような勉強・理解をしない人は交渉もうまくいかず、その国の人々と仲良くなれず、トラブルを起こす人となります。私の9年間の外地での現地生活及びビジネス経験から得たことです。ぜひアメリカでしっかり勉強してください。…」


まったくその通りだと思います。
父の経験に比べればひよこのようなものですが、私が2年間国際交渉を担当した際にも、同じような思いを抱きました。
英語の上手い下手や話術の巧みさではなく、積極的に相手の輪に入る努力をし、相手の話を真剣に聞き、相手に対して何ができるかを考える、その姿勢こそが大事なのだと。


日本の代表団には、私よりも英語の上手な人々がいくらもいましたが、彼らはあまり積極的に他国の政府職員と関わろうとしなかったため、相談を持ちかけられる相手にはなかなかなり得ませんでした。


また、例えば私がよく議場で意見が対立したのは米国ですが、米国の代表だった彼は会議中には調子の良いことを言うのですが、帰国後にさらにコンタクトを取ろうとメールを送っても、返事がないこともままありました。
(これらはごく属人的なことなので、「日本」がどう、「米国」がどう、という話ではありません)


その一方で、そうした米国を始めとするネイティブの人達に、交渉の場でリードされ、彼らの都合の良いようにまとめられてしまったりして、悔しい思いも何度もしました。


父のアドバイスに従い、自分の目の前の「人」とその背景にある「歴史や文化」を、先入観や偏見なく、素直な気持ちで誠実に受け止めることを、常に大事にしていきたいと思います。
それに加えて、ネイティブとも相応に議論できるだけの英語力・交渉術も身に着けたいですが。。道のりは険しいです。


ともあれ、お父さんありがとう。
お母さんとともにNYに遊びに来てね。