インターン報告−UBS編

ウガンダから、「いつウガンダに帰ってくるんだ」という便りが届いた。今でもこうして時々、NEMAやUNDPで一緒に働いた仲間から、I miss youとメールが来る。本当に嬉しくありがたく、今すぐにでも帰りたくなる。3月にマダガスカルに行くときに、寄りたいけど、可能か...?策を練らねば...。


期末試験は昨日ぶじ終了。解放感に包まれて幸せいっぱいだったのも束の間(約2時間)、そのマダガスカルに行くEPDワークショップでやらなくてはならないことが山積みなことを再認識。WaterAidがクリスマス休暇に入る前の今週中に、2週間後に発つ先発隊のアレンジを済ませなければならない。現実に引き戻される。く...。


で、今日から3日連続UBSでインターン。UBSでのインターンはおもしろく、いろいろ思うことがあるのだけど、最近のばたばたでなかなかここに書けなかった。でも、「書き留めなければ忘れるぞ」という、予言か呪いのような友人の言葉を真摯に受け止めて、今日はちょっと書いておきたい。


まず感じるのは、私の働いているUBSの投資部門環境リスク部の仕事は、結構シンプルだということ。もちろん活動は多岐に渡るのだけど、基本は、

  • ビジネス(投資活動)に伴って発生する環境リスクを減らす
  • 環境に関わるビジネスチャンスを発掘する
  • そのための社員教育・意識啓発・広報

ということに尽きる。全ては、profit(利潤)やreputation(評判)を最大化するためのリスク回避と機会拡大ということで、目指すところがはっきりしていると思う。役所だと、環境と名のつくものは全て扱わねばと総花的なところがあるし、利益という指標もないので、その点軸がぶれやすく、目指すべきゴールを見誤る危険がある。同じ環境と呼んでも、その対象は限定的だ。見方が明らかに違うなと思う。


で、実際の仕事はといえば、...なんだか難しいことを頼まれる。いや、彼らは難しいことを頼んでるつもりはないのだろうけど。「今日の午後にあるエネルギー会社とミーティングするから、その会社と競合他社の、環境に対するpositioning(スタンス)をメモにして」「CDM(クリーン開発メカニズム)の各プロセスにおいてUBSがどんなビジネスチャンスを持ちうるか、示してみて」「アジア各国のCDMプロジェクトについて、わが社の競合他社の、Investment Bank, Asset Management, Wealth Managementの分野でのプレゼンスは?」


...。だって、CDMのプロセスは分かるけど、UBSがどうやって飯を食ってるのか未だによく分からないんですもの。Investment Bank, Asset Management, Wealth Managementの違いって何? 3回ぐらい説明してもらったけど、未だによーわからん(涙)。多分、日本語でも聞いても分からないと思うんですよね...。今までかなり素通りしてきた分野だし。traderとbrokerの違いを初めて知ったぞ。というわけで、そもそもの投資銀行に対する理解の低さのために苦労している気がする。


まーしかし、試行錯誤でなんか作って見てもらうと、視点が違うためもあるのか、おもしろがってくれる。で、同じCDMプロジェクトを見ても、政府と見方が違うので、こっちもおもしろい。政府では、プロジェクトが軌道に乗って順調に二酸化炭素排出量が削減されてれば、もうそのプロジェクトにほとんど興味はないけど(クレジットの買い付けをやる部署を除いて)、UBSではクレジットのdistribution(販売方法)に細かく注意がいくもんな。その一方で、CDMの過程で必要なvalidationやverificationやcertificationは全てtechnicalなこととして片付けられる(興味がない)。


でも、最初に言ったこととやや矛盾するけど、「なんでそんなことするの?UBSのメリットはなに?」ってことも結構ある。てかこの質問を何度も繰り返ししている。で、説明を聞くと、ふーんそうかもねー、と思うのだけど、そこらへんは、まだ私のUBSの事業活動に対する理解が足りないのだろう。


うちの部署は直接取引に関わっているわけではないし、そもそもスタッフがロンドンとNYと合わせて3人しかいないので、かなり忙しそうだけど、UBS全体で見ると、アメリカの金融市場の落ち込みのあおりを受けて非常に景気が悪いらしい。うちのフロアでは、度重なるリストラ・自主退職等のせいなのか、机の半分ぐらいが空席。サブプライム問題の被害が直撃した友人の部署を先日訪問したときには、幹部陣の席がすべて一掃されて空になってて、ショッキングだった(でも友人たちは結構飄々としていた)。


上司との会話は電話かチャットがメインなので(しかも電話会議多い)、電話の度に非常に緊張していたのだけど、最近ようやく徐々に慣れてきた。でも、やっぱり聞き逃してることがいっぱいあるし、その点nativeに比べると非効率で(自身の)競争力がないよなー、と思う。