マダガスカル再訪?

いやはや、ブログにまで辿り着けない毎日。
これでも、主に履修している5つのクラスのうち、経済と統計の授業は簡単なので、考えようによってはラクなはずなんだが、なかなかそうならないのはなぜだ。


昨日は、以前、ハーレムウィークの開催イベントに招待してくださったおじさまと夕食。今日は国連フォーラムの勉強会に出る。こういうイベントに毎日のように出ているのも時間がない一因か?


昨日お会いした方は、既に退職していろんな所の顧問(マダガスカル大統領の顧問だったり、そのほかにも何人かの大統領の顧問をやっているらしい…)やアドバイザーをしながらいろんな企画(コフィ・アナン事務総長の退任イベントに併せた悪巧みもしているらしい…)をしているという不思議な方(全く全貌はつかめず)、退職後の今は自分の本当にやりたいことだけに時間の全てを使っていて、その一方で若いときにはなかった今までに培った人脈があるのでそれはいろんなことができて、毎日が楽しくて楽しくて仕方がないという素敵な方。


若い頃の話を聞くとこれがまた壮絶で、高校の頃に親の事業が失敗して父親が蒸発し、クリーニング屋を始めて高校からユニフォームや制服のクリーニングの依頼を受け、高校の授業料をそれで払ったのが起業の始まりだとか、進駐軍アメリカ兵からもらったガソリンを横流し(ドライクリーニングに使うため。当時不足していてクリーニングに出すと服が汚れたとか)して儲けただとか、その後渡米して、働きながらようやく大学に通いだしたが、お金がないので教科書代がかからないデザインの授業で、かつ木炭一つで書けるデッサンのクラスを取っていて、墨絵を真似て書いてみたところ、アメリカ人から買いたいなどと言われたので、本格的にやりだしてそのままグラフィックデザイナーになっただとか…。


昨日会食をお願いしたのは、企画の一つとして進めているという、マダガスカルでの経済開発と環境保護を組み合わせたエコタウン計画の話を聞くため。しかし、上のような話にどんどん脱線するため、いつまでたっても具体的な話に辿り着かない(こりゃ、他の人(出来れば実務レベルの)に話を聞くか、プロジェクトプロポーザルを読まないと分からないなと途中から半分断念)。かつ、プロジェクトサイトもまだ明確には決まってないのに、アイディアはどんどん広がっていることに、開発学の基礎理論をかじりだした身としては、正直「住民の意向もなしにそんなに空想を広げて、おいおい大丈夫か」という気になる。とはいえ、別にこちら側の理念を押し付けるつもりではなく柔軟な姿勢が多少なりとあることと、彼らの生活を良くしたいという強い思い(と計りしれないネットワーク)が根底にある限り、物事は変えられるという強い意志と行動の力も感じる。彼自身が、それを体現してきたような人生だ。


何より、全くのゼロからプロジェクトを立ち上げて、どんなふうにことを進め、どうやって実現させていくのかには興味がある。11月の感謝祭の時期に、一週間ほどフィージビリティスタディで現地に行くというので、一緒に来ないかと誘っていただいた。とりあえず現地を見てみないと話にならないのは確か。行きたいなぁ。出費は痛いけど…。まずはプロジェクトプロポーザルを送ってもらって読もう。


そのほかにも、ホンダとUNEPやUNDPとともに、途上国での自動車リサイクルのプロジェクトも進めていたりして、本当に謎の多いおじさんである。でもなにより人生最高に楽しそうだ。それだけでも素晴らしい。


それにしても、「今の話を聞いて、じゃああなたは我々のために何が出来ますか?」と聞かれて、すぐに答えられなかった。役所としてではなく個人としての力量を問われたときに、果たして何が自分の比較優位なのか、辛い現実を見なければならない。