1年の1/3にやってること

今日は、北米事務所(RONA)の所長さんとランチに行きました。


[目標]なるべく多くの職員と話をする×[問題]集団でのトークにはついていけない が合体した結果、毎日職員さんをランチに誘っては、1対1で話をするようにしています。おかげで、初日を除いて毎日、誰かと一緒にランチに行くことができました。しかも、職員さんたちが決まって奢ってくれちゃうので、ほとんどお金を使わないですむというおまけつき。


所長の彼女は、環境法に関する国際NPOの立ち上げをやったのち、上院議員の法的側面のアシスタントとして勤務し、その後UNEPのRegional Directorになったという経歴の持ち主です。このため、アメリカやカナダの議会にコネがあり、顔がききます。


実は、RONAの所長としてはこのポイントがとっても大事なんだということを、ここに来て初めて知りました。
(以下、私の理解に誤りがあるかもしれないので、適当に差し引いてお読みください。)


彼女の重要な仕事の一つは、アメリカからUNEPに拠出される予算案を、アメリ連邦議会で通すこと。
国連への拠出を担当しているのは国務省(ちなみに世銀やIMF財務省)です。彼らが作る予算案は、大統領からの要求という形で議会に提出され、そこで最終的な承認が下されます。
基本的な流れは日本と同じですね、たぶん。


しかし、日本と異なるのは、国会がしゃんしゃんではなくて(失礼)、議会において大きく予算額が修正されたり、不承認なんて事態が起こり得ること。実際に、億円単位で増減があったときもあったそうで…。


このため、彼らは国務省ホワイトハウスだけでなく、上院議員へのロビーイングが欠かせません。もちろん、ロビーイングには「金くれ〜」ってだけじゃなくて、UNEPの意義・活動を説明して、重要性を認識してもらったり、サポートをしてもらったりといった日々の地道な活動も含みます。


実に、彼女は一年のうち1/3をこういった政治的活動に費やしているとのこと。うーん、すげー。
「日本では、国際機関が直接政治家にロビーイングしたりってあんまりないと思うんだけど…。」と言ったら、「それはきっと政治の力が強くて、立法府と行政府の分立がアメリカに比べて弱いからよ。」と言われ、納得。
国会でひっくり返るなんてそうそうないですもんねぇ…。
いやいやしかし、最大拠出国とはいえ、一国のためにそこまでやるか?


ちなみに、「EPAアメリカの環境省)には働きかけしないの?」という疑問に対しては、他の職員さんが言うには「彼らは技術的な面を扱っているし、小さいから」。まあ、予算担当省庁じゃないからなんでしょうけど、なんだかちと悲しい。
実際の活動面では、もちろん連携があるのだと思いますけど。


そんな彼女の生まれ故郷はシカゴ。とにかく絶賛していました。
退職したら、夏はシカゴ、冬はメキシコに住みたいんだとか。
しかし、一年のなるべく長くをシカゴで過ごしたい彼女と、寒いのが嫌だからなるべくメキシコにいたい旦那さんとで、争いになるんだと。


昔、仕事でお世話になった日本の方もシカゴは良いと言っていたし、一度行ってみたいですなぁ。ただし夏に。