明るい未来?

仕事柄、「日本のこれからの環境は大丈夫なの?」「子供や孫が享受する将来の環境が心配。。」といった質問を受けることが多いのですが、私個人的には、日本の環境の未来は総じて明るいと思っています。
というのも、環境負荷の主要な決定要因である人の数が、今後日本では減少していくからです。
人口減少は、減少過程においては高齢化(齢分布の変化)や社会活力の低下などの問題がありますが、環境の側面からはプラス。多くの環境問題は、人口の減少によって多かれ少なかれ改善があるでしょう。


しかし、それでも残る問題があります。
それは、

  • 国境を越える地球環境問題(日本の環境負荷が減っても外国の影響を受けるから)
  • エネルギー問題(希少資源であるエネルギーをどこから供給してどう分配するか)
  • ごみ問題(現在の人口で平衡状態に達していない(将来への負債を増やしてる)から)
  • 都市部の問題(局所的に人口密度が環境容量を超えるから)
  • 影響が未知の化学物質(遺伝子操作物質を含む)の問題

などではないかと。

そうして考えたときに、私の関心は、日本国内よりも海外の問題への対処にはっきりと移りました。
もともと、開発途上国の環境問題に関心があり、よりsevereでpassionを感じるところでやりたいという思いがあったというのもあります。
日本という視点で考えたとしても、今後より焦点になるのは、一国内でどうにもできないmultilateralな問題でしょう。


他方、よりdomesticな問題を考えたとき、尊敬する上司や信頼する同僚の顔を思い出すに、自分でなくともあの人たちがいるから大丈夫と思うようになったのは、働き出してからの財産でしょうか。


幸い、在職中に途上国支援のプロジェクトに関わる機会に恵まれましたが、環境の側面からのアプローチだけでは、改善はすれど本質的な解決には至らず、環境問題を引き起こす背景にある、より根本的な社会・政治・経済の問題に対処するには、自身の知識や経験の不足を痛切に感じました。
このため、一度職場を離れ、開発途上国の抱える問題を体系的に学びたいと思っています。